SiGe/PbTe/Bi2Te3/FeSi2/CoSb3/MnSi2系の熱電変換素子をはじめ、超電導材料、磁性材料、ターゲット材料、誘電体、水素吸蔵合金、形状記憶合金、固体電池材料、圧電焦電素子、光学機能材料等々の電子材料分野で様々な用途が検討されています。
出発原料粉末粒径100〜500nmをナノオーダーの微細構造のまま制御し、かつ短時間で高密度の酸化物焼結体を作製した事例です。図は同一出発原料を用いて外熱式通常焼結とSPSによる焼結体の誘電率と温度特性の関係を比較調査した結果です。SPS焼結体は高誘電率と併せて高導電率、高磁化率を有する優れた電子材料として合成されていることが分かりました。周波数1kHzでの誘電率は、通常焼結法によるものより2倍以上(室温比1700:3500)高い値を示しました。SPS法の微細組織構造制御焼結により、ナノ構造を有する新機能のバルク状BaTiO3焼結体が作製され高誘電率が達成できました。
SPS法を用いることにより、水アトマイズ法で作製されたナノ結晶構造を有するアルミニウム・高シリコン(Si含有量12%以上)合金系急冷凝固粉末(平均粒径約120μm)を短時間でナノサイズのまま直径60mm厚さ40mmの円盤状に固化成形することができます。SPS焼結条件は大気中にてSPS焼結温度723〜773K、加圧力100〜150MPa、昇温・保持時間約20分で相対密度ほぼ100%の緻密な焼結体が得られました。TEM組織観察写真より、焼結体の粒径は約600〜800nmでした。このバルク状焼結体を高速鍛造プレスで3次元形状に型成形したところ10−2S−1以上の高速歪速度下で破断することなく、1ストローク15〜20秒程度で約75mmの長さに健全に成形加工することが分かりました。SPS法により焼結体延性が向上する「超塑性現象」を発現することに成功し新機能を付加することができました。また成形体の常温引張強度は約350MPaを示し、鋳造品に比べ約1.5倍の強度でした。この新しいナノ構造Al-高Si合金材料は家電・自動車分野の部品製造に幅広く応用されるものと期待されています。 ■出典:(財)次世代金属・複合材料研究開発協会 (株)クボタ・「高速超塑性による部品製造技術の開発」 公開説明会資料(1999)
SPS焼結体のTEM観察写真